肝胆膵外科領域の中心となる学会です。
活発な議論が毎日行われています。
演題発表の他、教育講演も多く行われています。
他施設の先生方との交流も大事なイベントです。
先月船医となって出航したM先生より
お便りが届きました。元気にしているようです。
しかし、かなり楽しそうですね。
その雰囲気が伝わってきます。
御無沙汰しております。
航海は非常に順調で無事ハワイ諸島沖に到達し、
ハワイ諸島をぐるりと周回航行する時間的余裕がありました。
その後ホノルルに到着しました。
船内は『小さな社会、大きな家族』のようで、
それぞれの航海士、機関士、船匠、司厨手などの各職種のエキスパートが集まっており
夜は様々な職種で皆ワイワイと酒を片手に語り合います。
テレビもラジオもない時代は「肩振り」と言って
お互いに様々な話題を出し合って時間を過ごしていたそうです。
私は新米の船乗りですが医療のプロとしてこの輪の中に参加したわけです。
”家族”の中では一番の下っ端でも”社会”の中では役割があり責任があるのです。
というわけで現在も医局員として恥じぬよう頑張っております。
帆走になると本船は白く大きな翼を広げ大海原を静謐かつ荘厳に突き進みます。その美しさは『海の貴婦人』と讃えられるほどです。帆走開始の翌日になるとイルカが船のすぐ近くに現れて暫くのあいだ一緒に航海しました。更に船が東へ進むとアホウドリが船の後ろから残飯を狙ってきます。船尾ではトローリングをしているのでシイラやカツオが釣れます。カジキやマグロが釣れることもあるそうです。
皆が安全に平和に過ごせている船内は
それはそれはとても幸せな空間です。
座学をする時間にも恵まれたので消化器のテキストや外科のテキスト、
手術のビデオなどを見て勉強しました。
他に船内で乗組員向けに生活習慣病の講義をしたり、
学生に船舶医療(応急処置やアルコール中毒、STDなどについて)
の講義をしたりしました。
ホノルルから東京に向かう復路では学生向けに試験もあります。
この場で皆に厚く御礼申し上げます。
本船はこの後、麗水(韓国)へ寄港した後に東京へ帰港します。
様々な経験をして、その頃には一回り大きくなれるように頑張ります。
もちろん体重の話ではありません。
航海の無事とともに医局の皆様のご健康とご活躍をお祈りしています。
敬具
ラジオからウクレレの音が聞こえる船内より
海王丸船医/東京女子医科大学消化器病センター外科 M