2012年11月20日火曜日

消化器外科 大学院 について


久しぶりのブログ更新ですが、
ここでみなさんの気になっている大学院について、
実際に研究されている先生のお言葉がいただけましたので、
どーぞご参照くださいませ。特に研修医の先生は必見!

当院は早稲田大学との連携によってより高度な研究も可能となっています。
(詳しくは右のリンクを参照してください。

ちなみに当院の大学院制度については通常とは違い
①錬士大学院
 医療錬士期間(⇒リンク参照)に大学院に入学すると
 錬士として臨床を継続しながら(給料をもらいながら)
 研究も並行して行える。
②大学院
 医療錬士にはならず、大学院のみに専念する。
上記2つのパターンがあります。
各々が教授と相談の上、希望にそった形で研究、臨床と行えるのが特徴です。
医局にはそれぞれの先生が多数いらっしゃいますので、
見学の際にでもお尋ねください。


今回、お言葉を頂戴した小貫先生は
医療錬士を修了しその後、大学院へ進まれた先生です。


東京女子医大消化器外科38期 小貫建一郎

私は東京女子医大病院消化器外科医療練士として6年間研修を行った後に消化器外科大学院に入学をしました。入学を決めた動機は、消化器癌の様々な分子生物学的基礎知識を学ぶことが今後の自分の外科治療において大きな助けになるのではないかと考えたからです。
  
 大学院での研究テーマは胆道癌の分子生物学的悪性度に関するものでした。具体的には胆道癌に対する分子標的治療の検討や悪性度の指標となるバイオマーカーの開発を行いました。基礎実験は全て自分で行うため、細胞実験や動物実験での様々な基本的なテクニックを数多く習得することが出来ました。
 
 研究成果としては、動物実験の段階ですが肝内胆管癌に対する分子標的治療の有効性や胆嚢癌の悪性度の指標となるマーカーの有効性を示すことも出来ました。
  
 私は3年間臨床からは完全に離れ基礎研究を行っておりましたが、基礎研究に集中することで色々と勉強する時間や考える時間を多く取ることが出来ました。そういった時間は多忙な臨床生活では得難い大変貴重な時間であったと思います。その反面長く臨床から離れることで外科医としての不安や焦りを感じる方は多いと思いますが消化器外科系の大学院は臨床と密接した研究が可能であり、私はそういった不安をあまり感じることなく大学院生活を送っておりました。

大学院生活を振り返ってみると、年という期間はあっという間に過ぎ去ってしまい、気がつくともう卒業といった具合でした。年の間で研究が上手くいかずに悩んだことや、研究を通して様々な方と交流を持てたこと等は自分にとって大変貴重な経験となっていると思います。現在私は臨床に戻り、外科医として再び臨床に日々携わっておりますが、大学院で得た知識や経験が診療の助けとなっていることは多々ありますし、今後はそういった知識や経験を臨床に活かしていきたいと考えております。

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